つま先立ちの恋
……………………………


「危ない灯歌ちゃん!」



ハッと気付いた瞬間、目の前に風が迫って来ていた。考えるよりも早く体が反応する。反射的に上半身を反らした私は勢い余ってそのまま尻餅をついた。


「………ボール!」


審判の声を振り仰ぐと、キャッチャーマスクをつけた女の人が「大丈夫?」と私に声をかけてきた。私はまだ少しぼうっとしたまま、それでも何とか頷いてみせる。



そうだった。
今は午後の試合中だった。


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