つま先立ちの恋
あの顔には見覚えがある。ソフト部の先輩だ。中等部の時にも同じようなことをされた。


しまった。私としたことが。こんな気持ちのままバッターボックスに入るなんて。


私は気持ちを切り替える為に目を閉じて、ゆっくり深呼吸をした。


瞼を押し上げてもう一度バッターボックスに立つ。構えてピッチャーを睨み付けると、相手も同じように睨み返し、それからまた笑った。


「んにゃろぅ、、、」


グリップを握る手に力がこもる。


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