つま先立ちの恋
「きゃーっ、灯歌ちゃん素敵っ!」

「走れ、灯歌ちゃん!」

「回れ回れえぇーっ!」


グラウンドを駆けめぐる声援に後押しされながら走る。一塁を蹴って目指すは二塁……行ける!


その時、私の頭の中にこだましていたのは ……――



『何をゴチャゴチャ考えてんの。いつもみたいに単純明快、猪突猛進、猫まっしぐら! フーさんの所に走って行けばいいだけじゃないの!』


葵ちゃんの声と、



『走れ、孫。走って走って、頭も体も空っぽにしてしまえ。で、最後の最後に残った気持ちがほんまもんや。それがどうしても譲れんモンやで』


シロ先生の声と、それから ……



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