つま先立ちの恋


「なんかもう、どうでもいいって感じだよ。もう知らない。もう関係ない。そっちがその気なら私、次に会っても絶対口利かない。ヒカルちゃんなんてもう知らないんだから!」

『…灯歌ちゃん、さっきからそればっかり』

「まあまあ、大好きなポンデリングですよ~。きなこクランチですよ~」

「いらない!そんな気分じゃないもん!あ~、なんかこう、冷たい物一気飲みしたい気分!」

…と、髪をくしゃくしゃ、頭を抱えてテーブルに突っ伏した私。そこへ、

『…なのに、どうして注文したのは紅茶なんだろうね』

「しー、パペちゃん。どっちにしても冷たい物で注文する時は炭酸だから」

『ああ、炭酸の一気はキツイよね』

「…冷静な突っ込みありがとう、二人とも」

目だけを向けると、私の前に座る葵ちゃんとパペちゃんはおかわり自由のカフェオレをこくん、と飲み込む所だった。タイミング、ぴったりですね、二人とも。


私たちは当初の予定通り、ドーナツ屋さんに来ていた。

< 350 / 468 >

この作品をシェア

pagetop