つま先立ちの恋
「それくらいわかってると思うよ。だけど、わかっててもどうにもならないってこと、あるんじゃないのかな」

それを聞いて私は唇を尖らせる。子どもみたいに駄々をこねる顔になる。

そんな私を葵ちゃんは優しい笑顔で励ましてくれた。

葵ちゃんの隣りに座るパペちゃんは相変わらずドーナツを食べ続けているけど。

「だとしたら、その女の子たちにヒカルちゃんがイジメられる理由がますますわからなくなるね?」

私は「はい!」と勢いを取り戻して手を挙げる。

「はい、灯歌ちゃん」

「私、ヒカルちゃんはやっぱり違うんじゃないかと思うの」

「違う?」

「少なくともヒカルちゃんはこんな嫌がらせみたいなことはしないと思うの。だって、だって…ヒカルちゃんだもん」

まるで願うように力強く言う私。こういう所がイイコちゃんって言われる原因なのかな。でも、そう思いたいの。だって私は…

「灯歌ちゃんは何があっても美人の味方だもんね」

「あ~、葵ちゃん、それは私の決めゼリフなのに~」

先に言っちゃダメでしょ~!て言ったら、葵ちゃんは「テヘ★」なんて笑った。くそう、、、可愛いなあ。これじゃ怒れない。

< 356 / 468 >

この作品をシェア

pagetop