つま先立ちの恋


気が付いたら、フーの会社のあるビルの前まで来ていた。ここへ来てもフーには会えないのに、会えっこないのに。そうわかっていてもどうしても私は、…少しでもいいから傍にいたかったのかもしれない。

こんな時なのに、こんな時だからこそ少しでもフーの近くにいたい。それがきっと私を元気にしてくれるから。私はいつだって、どんな時だってフーがいてくれれば、きっと強くなれる。

涙で曇ってしまった晴れない心を、少しでも。


それにこんな顔、フーには見せられないもんね。

泣きはらしてパンパンなこんな顔、見せたらきっと嫌われちゃう。


こんな時なのに、こんな時だからこそ実感する。やっぱり私にとってフーは特別だっていうこと。例えば私が地球の裏側まで落ち込んじゃうくらい落ち込んじゃった時に会いたいのはやっぱり、顔を見たいと思う相手はただ一人、フーだけなんだって。


ねぇ、だから言ってもいい?

言わせてよ、フー。


この気持ちはきっと……



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