つま先立ちの恋
「不審者で通報されたいか?」

「へ…?(ゴツン!)あいったぁ~、、、」

現れた声の主に驚いて慌てて立ち上がろうとした私は、後頭部を石の壁に思いきりぶつけてしまった。うおぉ~…痛い、本気で痛い。頭が凹んだ!


…っじゃなくってぇ!!
この声はっ………


「フー!!!」

チカチカ星が目映い私の目の中に飛び込んできたのは、どこからどう見てもフーだった。黒いロングコートを羽織り、そのポケットに手を入れて仁王立ちしている姿に胸が反応しているのが証拠。

「ど、ど、どうしてここに?!」

「それはお前だろう。敢えては言わんが」

ああ、この低くて棘のある声も間違いない。フーだ。


はわわ、なんでこんな時だけ会っちゃうの、神様。いつもはこんな風に簡単に会わせてなんてくれないのに。嬉しいけど嬉しいけど…嬉しいんだけど…!


やっぱり、嬉しい、かも、、、


チラリとフーを窺い見ると、フーは首を斜めに傾げ、相変わらず私をその角度から見下ろしていた。


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