つま先立ちの恋
とか思っていたら、金城さんに隣りの部屋に案内された。

そこはメイクルーム。
さっきは四方の内、三面が鏡の部屋だったけど、今度は少しこじんまりとした部屋だった。ただ、置いてあるコスメの数は半端ないけど。


イスに腰掛けるように言われて、大人しくケープをかけてもらう。

なんだかお人形さんになった気分。だけど悪くない。だって、私も女の子だもん。

マスカラって何?私に似合うのなんてマラカスだよ、なんて普段は笑っていても、やっぱり女の子だからこういうのには興味があった。見てるだけでもワクワクしてきちゃう。

ただ、私はやり方を知らない。どうしたらいいのかわからなかった。

自分に何が必要で何色が似合うのか。私はまだ知らない。


だけど、、、


「大切なのは色、ツヤ、そして感触。そのすべてを満たしてこそ、メイクは完成するんですよ」

私に魔法をかけてくれるその人は、ひとつひとつ、丁寧に教えてくれた。

< 407 / 468 >

この作品をシェア

pagetop