つま先立ちの恋
金城さんについて、かなり危なげな足取りで歩いて行く私。残念すぎる!

でもでも、こんなおしゃれな靴、初めてなんだもん。歩き慣れてないんだもん。お酒飲んでないのに千鳥足って、残念すぎるでしょ私!

なんて早速落ち込んでいる私の目の前に現れたのは、いつもよりシックな装いの明人さんだった。

「良かった。よく似合ってる」

「…どうも。」

なんか、めちゃくちゃ恥ずかしくなる。だって私、こんな格好を見られることにだって慣れていなければ、男の人に褒められることにも慣れてないんだから。しかもこの人の言葉はシンプルで飾り気がないから、より一層恥ずかしい。

「悪かったね、いきなり心細い思いをさせちゃって。時間がなかったから…大丈夫だった?」

私は無言のまま、こくこくと頷く。明人さんは「そう」とだけ言って笑った。

私はそれだけでまた恥ずかしくなる。

そもそも、女の子扱いされることさえ慣れていないのだ。それ以前に私自身がそういう自分を受け入れられないのかもしれない。

そう。明人さんは私を女の子として接してくれる。この人、生まれながらのジェントルマンってヤツ?貴重すぎるっ!

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