つま先立ちの恋
フーは怒る。絶対怒る。なんでこんな場所に来るんだって絶対言う。だって会社に行くだけであんなに怒るくらいなんだもん。こんな会社の人たちがたくさん集まる場所に私がホイホイ顔出しようものなら、絶対、間違いなく、フーは怒るに決まってる!!

て、私にもわかるくらいなのに…なんでこの人わかんないわけ?!てか、本当にわかってないわけ?!

それにそれに!
私、そういう迷惑はかけないってもう決めたのに。場所と立場をわきまえて、フーに相応しい女になる為にそういう分別はつけようって心に決めたばっかりなのに、こんなにもあっさりとそれを裏切ってしまうなんて…

フー、私のことあきれるんじゃないか?!

それは絶対にいや~~~!!!


なんて、以上を全部頭の中で叫んでいると、明人さんのくすくすと笑う声が聞こえてきた。

「なんで笑うんですかっ!」

こっちは真剣に悩んでるのに!

「ごめん、ごめん。随分と学習したなぁと思って」

それ、褒め言葉か?!
若干逆ギレ気味の私。思い切り明人さんに睨みをきかせる。だけど、明人さんは少しも笑みを崩さないままで、

「だけど、一緒に過ごしたいんデショ?クリスマス」

「そ、そうだけど…」

てっきり、ふたりきりだと思ったから…

とか何とかブツブツ呟いていると、

「会わせてあげるとは言ったけど、ふたりきりにしてあげるとは言ってないデショ?」

そう言った明人さんの顔をガン見する。てか、衝撃的すぎて首が固まって動かせないだけなんだけど。


…………やっぱりこの人、わかっててやってる!!


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