つま先立ちの恋
声にならない雄叫びをあげた私を明人さんは不思議そうに首を傾げた。

「心配要らないよ。夫人を同伴してくる人も多いし、そんなにかしこまった場でもないから」

そ、そういう意味じゃなくて!!

ぶんぶんと首を振る私を明人さんは尚も穏やかな目で見守る。

「あ、あの、それはちょっと困ります、私!」

「どうして?」

「どうしてって…だって、そんな場所にいきなり私…無理ですって!」

「それなりの格好はさせたつもりだけど」

「そういう意味じゃなくて!」

その点はむしろ問題ないくらいの問題外です!

「冬彦サンに誤解されたら困る?」

「それはもちろんそうですけど…!」

「それもそれで面白そうだね」

面白がってる場合か?!
何、この人っ!!
私が言ってるのはそこじゃないっつーの!
だから、だから、、、!

「その前に…おおお、怒られます!」

そう!フーに絶対怒られる!!


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