つま先立ちの恋
「賭けてもいいよ。冬彦サンは怒らない」

明人さんの目に、私も真っ向から睨み返す。

「絶対に怒ります」

フーに関してだけは負けるわけにいかない。しかも、この人にだけは何があっても負けたくない。

「じゃあ、もし怒らせた時には俺が責任を取って…そうだな、冬彦サンと君をふたりきりにしてあげるよ」

「上からだなぁ、おいっ!」

怒りのあまり、いつからかタメ口になっている私。それを明人さんは心底面白がっているみたいで、さっきから子どもみたいな顔をして笑っていた。その横顔がどこかフーと似てるなんて思うから、これがまた厄介だ。


だけど、もっと厄介なのは……



「悪いけど、俺は賭けには負けたことがないよ。」



こんな時でもやっぱりフーに会えるのが嬉しいってこと。気持ちに嘘はつけないんだね。


< 421 / 468 >

この作品をシェア

pagetop