つま先立ちの恋
明人さんは何も持っていない手のひらを見せつけるように両手を上げた。

「だから、責任を持ってきちんと彼女を家まで送ってあげてください。その番号の荷物をクロークで受け取ってからね。彼女が今日着てきた服を預けてあるんで」

「な、、、!」

フーは明人さんに渡された物をポケットから取り出す。白いプレートに67番の番号。

「可愛い女子高生がいきなりそんな格好で帰ったらおかしいデショ?ちゃんと部屋も用意させてありますから」

「お前っ、!」

「一泊するかどうかは自分でフロントに電話してくださいね」

フーが驚いて見開いた目を明人さんに向ける。それを受け取る明人さんは少し首を傾げて「何か?」とでも言いたげだった。だけどフーは何も言わない。だから代わって言葉を発したのは明人さんだった。

「それじゃ。俺はここで失礼させていただきます。ウチでネコが待ってるんで」

ネコ??

「待て、、、!」

止めようとするフーに明人さんは背中を向けて私の耳元に滑り込む。そしてそうっと囁いた。


「メリークリスマス。」


その甘い声は今までで一番危険な香りがした。


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