つま先立ちの恋
「いいから離れろ」

私の肩に手を添えて私をフーの膝から引き剥がすと、フーは膝くらいの高さの家具の上に腰を下ろした。それからため息を吐く。

俯いたフーに私は、

「フー、なんだか元気ない?」

「あ?」

「おなかすいてるの?」

「お前と一緒にするな」

「じゃあ、どっか痛い?」

「子どもか!」

「だって、、、」

私はなんて言ったらいいのかわからなくて、スカートを握りしめていた。そうしたら、フーはやれやれと肘を付いて、

「お前に心配されるようじゃあ、俺も終わりだな」

そう言って、少し笑った。

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