つま先立ちの恋
ドオォ・・・ン!


鳴り響く太鼓が空気を震わせる。

それに合わせて拳を突き出す学ラン姿の団員たち。

構え、雄々しい声とともに足を高く蹴り上げ、更に腕を広げて胸をはる。

一瞬一瞬の衣擦れの音と素足が刻む微かな音。それから、背丈ほどもある長いハチマキが揺れる。団員たちの動きを追いかけるように白く細いハチマキは揺れる。


息をするのも忘れて、私はその姿を見守っていた。すると、


「……悔しいなぁ」


ぽつりと聞こえたその言葉のこぼれた唇を探すと、隣りにいたヒカルちゃんが瞳を潤ませていた。


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