~天使はふたたび舞い降りる~
「どうした~?」

「にーにー・・・
このままで少しだけ
いてもいい?
ちょっとだけ・・・・」


奈楠が背中に抱きついた。


「いいけど大丈夫か?」

「うん。」


静かに時が流れた。


「にーにー・・・
ありがとう・・・・」

「なにが?」

「にーにーが私を家族にしてくれて
居場所をつくってくれたから
私、感謝してるよ。
にーにーと暮らし始めて
人間として生きているって
毎日あたりまえじゃなかったことが
ここでは、できる。
邪魔者扱いされて
生きてきたから・・・・
ふつーの女の子みたいに
おしゃれしたり
仕事が楽しかったり
そして恋したり・・・・
みんなにーにーのおかげ・・・
いつも素直じゃなくて
言えないから・・・・」


俺は嬉しかった。

「俺も・・・・
マジさいこーに嬉しい!!
おまえに会えて俺だって幸せだよ。
赤ちゃんの奈楠も天使だった。
あの雪の中で再会した
奈楠の天使だった。
俺の中の天使はおまえだから~
すげーしあわせだよ。」

感極まって声が震えた。

  酒の勢いだ~~
  嬉しいから泣くんだ~


「天使・・・・?
私が・・・・天使?」


「そうだよ。
おまえは真っ白な天使だよ。」


「うれしい・・・
真っ白じゃないけど・・・・
うれしいよ・・・・」

奈楠が泣き出した。
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