東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「おいおい、日本は1853年、ペリーが黒船で浦賀に来航したのをきっかけに開国してるんだぞ」
「ウソっ。ゼッタイこの国はまだ鎖国してるよっ」
「いいか、愛。相手に変わってほしかったら、まずは自分が変わることだ」
「そんなこと、分かってるけどっ…」
あたしはパパから離れて、自分の部屋に戻ると“バタン!”と後ろ手にドアを閉めた。
パパならあたしの気持ちを分かってくれると思ったのに…。
こんなときに、そんな正論を持ち込まれても、あたし、素直に納得なんてできないよ……。
そのときあたしはダイスキだったパパでさえ、あたしの味方になってくれないという過酷な現実を知った。
結局あのバレンタイン作戦は失敗で、ロムには完全にフラれてしまったし、デカ島にはカノジョになってあげなかったことで恨みを買ってしまったし。
チーコは、まだ完全にあたしを避けてるわけじゃないみたいだけど、あんまし期待しないほうがいいのかもしれない。