【短編集】僕達の夏
「…家?」




めっちゃくちゃぼろい家だ。
俺達が引越してきた家よりぼろい。

周りが竹林で囲まれてるのにここはやけに静かで明るい。
逆に竹林は夜かと思う程暗い。



…なんか、怖い。



引き返そうかと思ってたところにチリンて綺麗な音が聞こえた。

女の子の話し声に混じって泰斗の声が聞こえる。
家に近付くいて庭先をこっそりのぞき見する。




「コーヤってやっぱり泰斗が好きなんだよぉ。」



え!?俺の事知ってる!?

「ウザったいだけだよ。うるさいし。」




…………帰ったら殴る。


アノヤロー女の子と会ってたのかよ!……………って、






……………笑ってる…。

泰斗が、あんな優しそーに。


俺あいつのあんなに穏やかな顔見たの、久しぶりだ。
なんで…


…なんで、こんな知らない奴が…


…なんか、嫌だ。






俺は泰斗が帰ってくのをちゃんと確認してから庭に飛び込んだ。

「おいあんた!…」

そこにはすっげえ美人の女の子がきょとんて顔で俺を見てた。
< 18 / 95 >

この作品をシェア

pagetop