【短編集】僕達の夏
「…あれ?」


家に帰ると、中には誰もいなかった。

耕平伯父さんは仕事の都合もあって今朝帰ったけど。
晃矢もいない。

…―珍しいな。あいつが一人で出歩くなんて―…

まぁそのうち帰って来るだろう。
縁側に座ると、熱気を押し出すように温い風が顔にあたる。

「そういえば…風理の所は蝉の声がしないんだ…」

ここはと言えば頭がガンガンするくらい鳴いている。

コトンとその場に横になると屋根の向こうに真っ青な空が見えた。












「あんた、なんなんだ?」

そう聞くと、女の子はけろっとした顔で答えた。

「幾渡世 風理。君はコーヤだよね?」
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