【短編集】僕達の夏
疑いもせずに、そう聞いてきた。泰斗が喋ったんだな。

「…そうだけど。」
「やっぱりっ。ねっ漢字はどう書くの?」

指で地面に名前を書いてやると、風理は納得顔で「ははーん」て言った。

「…やっぱりねー。」
「…は?」


何だ?こいつ。

風理は立ち上がると、何か書き始めた。



一つは、"光野"
もう一つは、"怠鋭"



意味わかんね。


「…何?これ。」

「"名は体を表す"ってことわざ知ってる?」

俺は迷わず首を横に振る。
泰斗はこーすると口を少し開けたままちょっと固まってしばらくしてから『頭ん中まで筋肉か』って言う。
前の学校の先生もよく信じられないって顔で固まってたっけ。
わかんないものはわかんない。


でも風理は固まりもしないで普通に話しを続けた。


「その人の名前はその人そのものを表してますよーってことわざなんだけどね?」

「あ、う、うん。」

「晃矢の名前は"光"の要素がいっぱいつまってるの。」
「ヒカリノヨーソ?」


うん、て頷いてから風理は内緒話するみたいに悪戯っ子みたいな笑い方で続けた。
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