【短編集】僕達の夏
ふと、前髪を伸ばし始めた頃に『切れば?』って言った俺に泰斗が言った言葉だった。
「それってね、優しいからこそとっても疲れちゃうんだよ。だから、絶対に気付かないように、見えないようにするの。」
「…」
そう言われると、泰斗と一緒にいた今までの記憶の中で、不思議なくらい色々な事が繋がっていく。
泰斗は、色んな物が見え過ぎて、疲れたから、見えないようにしてたんだ。
…でも
「……あの陰気野郎…」
本気で言ったんだけど、何故か風理は笑い出した。
「泰斗がただの陰気野郎になるかどうかは、晃矢も関係してるんだよ?」
「は?俺?」
風理はにこにこしながらこっくり頷く。
「それってね、優しいからこそとっても疲れちゃうんだよ。だから、絶対に気付かないように、見えないようにするの。」
「…」
そう言われると、泰斗と一緒にいた今までの記憶の中で、不思議なくらい色々な事が繋がっていく。
泰斗は、色んな物が見え過ぎて、疲れたから、見えないようにしてたんだ。
…でも
「……あの陰気野郎…」
本気で言ったんだけど、何故か風理は笑い出した。
「泰斗がただの陰気野郎になるかどうかは、晃矢も関係してるんだよ?」
「は?俺?」
風理はにこにこしながらこっくり頷く。