【短編集】僕達の夏
「もっと泰斗の事を見てあげて。一緒にいられるのが当たり前じゃないんだよ?もっと泰斗を知って、手伝ってあげてね。」

「手伝う?何を?」

「あ、そろそろ帰らないと、大分日が暮れてるよ。泰斗が心配する。」

「Σおっおぅ!」




風理に会った事がばれたら、泰斗に怒られるような気がしたから、風理に一緒に言い訳を考えてもらって、急いで帰った。












晃矢はまだ帰ってこない。
時計は午後8時をまわった。
夕飯は出来てるけど、どうも食べる気がしない。

「なにしてんだよ…あいつ…」

発したのが自分の声だったと気付くのに少しかかった。
庭の蛙の鳴き声が近づいて聞こえる。
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