【短編集】僕達の夏
偶然今の彼を見たクラスの女の子達が興奮気味にひそひそ話を始めるのが聞こえたけど、本人は気付いてないみたいだった。








夏休みの間、晃矢君が教えてくれた事がある。

この街に引越してくる前に住んでいた所で知り合った、不思議な友達の事。

その子のおかげで二人が仲良くなれたんだと言う事。

泰斗君はその時期交通事故にあって、その子の事を忘れてしまった事。

そして泰斗君がその子の事を忘れてしまってから、その子と会う事がなくなった事。

そしてその子の事は誰にも話さずに秘密にしてきた事。



晃矢君がこっそり持ち出してきた昔の泰斗君のスケッチブックの中にその子の絵があった。
群青色の瞳がとても印象的な、綺麗な女の子。
絵の裏には、泰斗君の大人っぽい字体で、『カザリの家で』と書いてあった。
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表紙・目次

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