【短編集】僕達の夏
…なんかファンタジーだなぁ。
まぁ、この際課題のヒントになるならなんでも良い!

 私は課題の事を二人(一人と一体?)に話した。





「そもそも『心』なんて曖昧なテーマ。具体的な物が浮かばないからさっぱりで。」
「簡単よ。具体的な物にしようとしなければ良いんだわ。」
「そんな事言ったって思い付かないもん。」

「そうですね。『心』とはとても曖昧なものです。儚く、とても強固で、うつろいやすく、半永久的で。」
「…反対の事ばっかりじゃないですか。」

ぶすっとして答えた私にマスターは意味深に微笑みかける。

「それこそ『心』、ですよ。ある一言がきっかけで崩壊してしまうものもあれば一言で何処までも強くなれる。ふらふらと移り気でもありますが時として人間と同じように分け与える事もできる。…リリーのようにね。」

そういうとマスターはカウンターから出て来て私を庭へと案内した。
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