【短編集】僕達の夏
道は意外に通り易かった。
歩いてくうちに蝉の声が消えて行った。
その事に気付き始めた時、急に視界が開けた。




     ちりん



その音色は涼やかにその小さい民家の裏手から聞こえていた。


「スイマセーン」


裏に回って歩きながら声をかける。

裏の縁側には、女の子がいた。
< 7 / 95 >

この作品をシェア

pagetop