日直当番
「遅かったな神崎」


「何ブスくれてんの?」


教室に戻ると由理と皆川が私の机の周りで喋っていた。


私は皆川にココアを渡して事のいきさつをふたりに話した。


「むしろ良かったじゃん。悩んでる時間短縮されて」


「そうだよ。神崎ってどうでもいいとこで優柔不断だもんな」


「だってさ、例えば今日の弁当は肉だからさっぱりした果物系のジュースがいいかなぁとか、パンのときはミルク系がいいかなぁとか考えない?選ぶという行為は私にとってある意味至福の時なの。それを私はあいつに奪われたの。分かる?この気持ち」


「「分かんない」」


ふたりに真顔で即答されてちょっとヘコんだ。


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