日直当番
「さすがに限度はわきまえているつもりです」


目を開けたときには進藤くんは私に背を向けて自分の席に向かっていた。


「それともやりすぎましたか?」


進藤くんはにやっと笑って眼鏡を掛けた。


「神崎さんまた明日」


スクールバッグを肩に掛けて進藤くんはそのまま教室を出て行ってしまった。


それと同時に全身の力が抜けて床にへたり込んだ。


床がひどく冷たく感じ、全力疾走したあとみたいに心臓は速く脈打ち、今にも口から飛び出しそうになっていた。


ただただ耳の奥で心臓の音が鳴り響くばかりだった。






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