日直当番
少しの間そのタオルをじっと見つめた。


「いいよ別に」


「遠慮しないでください。本当に風邪を引いてしまいますよ。あ、未使用なのできれいです」


そういう問題じゃないんだよ。


「だからいいって。大丈夫だから」


私<進藤くん


になってしまう……。


私は進藤くんに背を向けて外の景色を見つめた。


ガラスに映る黙って私の後ろ姿を見ている進藤くんの姿が見えた。


進藤くんはしばらくそうしていたかと思うと、突然手に持っていたタオルで私の頭をワシわしと拭き始めた。





< 54 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop