macaron-マカロン-   *イケメンアイドル's Love life*
「ねぇ、鍋が1つも無いんだけど…。炊飯器も無いし。料理しないの?」


「しないよ。」


答えを聞くまでもない。あきらかに普段料理をしていないキッチンだった。


みごとなまでに飲み物とツマミしか置いていない。


「朝ご飯はどうしてるの?」


パンもシリアルも、見あたらない。腹を満たす物は、1つも見あたらなかった。


「実家で食べてるけど。」


「え?実家!?」


「そう。家族が隣に住んでるから。あ、レイアが俺の部屋に着たのは、俺の妹には内緒な。お前のファンだから、連れてきたのがバレたら喜ぶから。」


妙な言葉にレイアは一瞬首を捻った。


「え?内緒も何も、私、妹さんと面識ないんだけど…。それに私のファンなら、会わせてよ。妹さんが喜んでくれるんなら、私も嬉しいよ。」


「甘やかすのは、あいつの為にならない!だから会わさない!!それに明日、『昨日は皆川レイアが家に来た。』って妹に言って、あいつが羨ましがる顔を見たいんだよ。会わせたらそれが見れなくなるだろ!?」


「最後に言った事だけが本音ね。妹さんに同情するわ…。」


レイアは引き気味の表情で、じっと良一を見つめた。
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