『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「ちょ、ちょっと、
ひかり~」
完全に固まった私の肩を雅が揺らす。
はっと我に返るとクラスの皆の視線が
私に集まっていた。
それを見て、イケメンはすたすたと私のほうに歩いてくる。
「あの、倉本ひかりちゃん・・かな?」
「はい・・・・そうですけど・・。」
「良かった~。親父も卒業式に出ててさ。
間に合いそうにないから、代わりに俺が迎えに来たんだよ。
君のお母さんの携帯番号は聞いてるんだけど、電源切ってるみたいでさ。
顔知らないからどうしようかと思って。
会えて良かった!荷物はこれ?じゃ、行こっか!」
卒業証書の入った私の荷物を持ちあげる彼の手を
慌てておさえる。
「あ、あの!」
「ああ、ごめん。自己紹介まだだったよな。
俺は、水沼(みずぬま)心(しん)。
3兄弟の一番上だ。20歳の大学生。
よろしくな!」
そう言って、彼、心さんは、右手を差し出した。
さわやかな笑顔とともに。
まるで、漫画の一コマみたいだ。
それにしても、
親父、
みずぬま、
3兄弟、
・・・・・・
お母さんの再婚相手の息子!!!