鬼畜な俺様執事


私が父からきいたいきさつを話すと、おばさんは黙って全てをきいた後、小さく頷いた。



「まさか勘違いしてたとはね……

だから朔夜を執事になんて言ったのね。

わかったわ、私から言っておくわ」



そう言ったあと、おばさんは私を真剣に見つめた。



「ありがとう、綾香さん。

これからも朔夜を宜しくね?

朔夜は綾香さんを泣かせないように!」



最後ににっこりと笑って、おばさんは朔夜の頭をガシガシと撫でた。



キャラ変わってない……?



先程とは打って変わったおばさんの様子に、私は声も出ない。



「暗い話はおしまいにしましょ?

二人が付き合うに至った経緯を教えてちょうだい!」



どうやら、こちらが本来のおばさんらしい。



朔夜は再びため息をついた。


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