鬼畜な俺様執事


「私は嬉しいわ、朔夜。

あなた今、お父さんと血の繋がりがあればいいと思ってるでしょう?」



淡々と流れる時を遮り、おばさんは流した涙を拭った。



お母さんのその言葉に、私にも、事件があってからの朔夜とおじさんの関係が垣間見えた気がした。



「あなたはれっきとしたお父さんの子よ」



しっかりと朔夜を見据え、ハッキリと言ったおばさんの言葉に、朔夜はため息をついた。



「あの人……綾香さんのお父様ね。

との子は残念ながらいなくなってしまったの……

その時、お世話になったのが、朔夜、あなたのお父さんよ」



本当は優しい人なのよ、と言っておばさんは微笑んだ。


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