鬼畜な俺様執事
「初美をお探しのようですが、何か御用ですか?」
「そういう訳じゃないんだけど…誰かと話したい気分だったから」
にっこり優しい笑顔。
「では、私がお相手させていただきます」
えっ!?
私の返事を待たず、すたすたと私の部屋に向かって歩き出す。
そして、少し離れたところで立ち止まり、振り返る。
「今度からは、使用人と話したいときは、執事の私を通して下さいね?」
廊下の薄明かりで、朔夜さんの顔は、ニヤリ、と笑ったように見えた。