a little memory━恋心編━

remember

母が居なくなりシーンとする病室…私は隣の部屋に向かった。



ガラガラ


「真苺…。」


「英咲士君…。」


私は少しヨタヨタした歩きで英咲士君のベッドに歩いていく。


すると英咲士君がベッドから降りてきて


「俺が真苺の部屋行く…。」

そう言って私をお姫様抱っこする。


「何か前にもこんな事有った気がするわ…。」


英咲士君…?


英咲士君は私をベッドに降ろし椅子に腰掛ける。


「英咲士君?前にも有ったんだよ私が風邪で…」


「熱出して俺がお見舞い行ってお姫様抱っこして部屋まで運んだ。やろ?」


っ!!


「思い出したの?!」


「その事は思い出した…その後はまだアカンわ…。」



十分だよ…。それを思い出しただけでも…!!


「でも俺がお見舞い行くなんて真苺はホンマ俺の1番大切な人やってんな…。」


「えっ?!」


「俺お見舞いなんか滅多に行かへんねんで?妹に対する思いちゃうかったんかもな…。」



英咲士君…。


前と変わらない横顔に仕草に私の顔を見るとき首を傾げる癖まで変わってない。







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