あたしと彼のオトナな契約
家に着いてからは、晋也さんのリクエスト通りオムライスを作ってあげた。
「うめっ!」
中学生みたいな無邪気な笑顔であたしに笑いかける。
「そう。 良かったぁ」
「那奈、お前食わねーの?」
晋也さんが、あたしを見て首をかしげる。
「うん。 あたしお腹減ってないし。 さっきJJで果奈さんがお菓子くれたんだ」
あたしは料理が好きだけど、それはきっと晋也さんが食べてくれるからだと思う。
あたしが作ったものを自分で食べるより、晋也さんが食べてるのを見てる方がいい。
『うまい』って笑いかけてくれる、そっちの方が幸せ。
あたしは晋也さんに微笑んだ。
そして夜は並んで歯を磨いて、並んで寝る。
布団の中で向き合って、他愛もない会話をしてクスクス笑う。
なんて幸せなんだろ。