スピリチュアル
彼。

私の家族

私はバリバリのキャリアウーマン。
育った環境にも恵まれていて
一度就職したんだけど「やりたい事、目標」というのが見つかった

すぐにそれに打ち込めるように金銭的に何の問題もないくらいに。



私の家に母は居ない。

ウチは目立ってお金持ちだった。
自分では気づいてなかったけど。



中学生のある時、校内放送があった。
私の呼び出し。


「今日、宿題忘れたからかなぁ?」


私は生徒会の人間だった。
勉強は成績優秀。
特に目立つ生徒という訳でもなかった。
部活には入らず
いつも友達が食べに来る母親の林檎パイが私も大好きだったから
寄り道せずに家に帰るのが好きだった。

ドアを開けると甘い林檎の香りがする。

ママはいつも
「明日は他のを作ろうか?」
と言ってくれたけど、
私は林檎パイ以外は食べなかった。

飽きるという事は全くなかった。

ママが作る林檎パイは毎回何かしら少し味が違うから。

ママはきっと林檎パイが好きだけど
毎日それでは、と工夫してくれたんだと思う。

私は特に火曜日あたりに出る一番甘い林檎パイがお気に入りだった。






「タブン宿題だよ~今日に限ってママが確認しなかったから」

そう、今日いつも宿題持ったかって確認する
お節介ママが言わなかった。

違和感があったけど、授業が始って気がついた。



特に問題のなかった私。
だから、初めて個人で校内放送で呼ばれて
ミンナも私も正直驚いた。


だけど、ミンナに注目されて
ちょっと恥ずかしかったので
そそくさと教室を後にした。


職員室に向かってる時、再度校内放送があった。


「3年7組田中美亜さん、1年4組の田中海くん、至急職員室に来てください」



アレ?弟も?何でだろう?
宿題じゃないのかな?

まさか、姉弟そろって忘れた?

なんてちょっと笑いながら職員室へ向かう。



途中、海に会った。

「海(ウミ)、宿題忘れたの?」

「は?ちげーし。ってか忘れたの?プッ、だせー!!!」

ちょっとムッとしたけど
じゃぁ、何だろうと話しながら行く。
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