スピリチュアル
入学式。
パパは来なかった。

入学式は皆黒髪だったのに
ピアスも化粧もしてなかったのに。

たてまえ、という物があったらしい。

だから私は
なんだ、皆真面目だ、と安心していた。


初めてクラスに入った時
学校を間違った?と焦った。

黒髪の人がほとんど居ない。
テレビで見るようなヤンキー学校だったから。


ジロジロ見られたけど席に着いた。
恥ずかしくて下を向いてた。

プリントをまわされた時
明日香が話しかけてきた

「真面目だねぇ~お嬢?」

「え?ち、違うよ・・・」

綺麗な顔してるけど
鼻に光るピアス
髪は茶色でパーマかかってるみたい

「よく見ると美人だね~あたし明日香。名前は?」

「田中美亜です・・・よろしく・・・」

「美亜か~仲良くしない?あたしA区から1人みたいで寂しくて」

明日香は出身中学校から1人だったのか
私も真面目だから1人と思ったのか
話しかけてきた。

話してみるととても面白くて
可愛いくて
意外とハッキリした性格だった。

元々私もハッキリした性格だから
明日香と打ち解けるのは時間の問題だった。


私の住んでたところも私だけしか出身者が居なかった。
友達にココの高校行くんだ!って話したら
凄く怪訝な顔されたし、付き合う回数も減ったから

明日香と遊ぶ機会が多くなっていった。

「ね~眉毛、どうにかして!わかんなくて!」
明日香みたいな綺麗な子になりたいと正直思った。

学校でもっさりしてるのが私だけだったから。

「おーオシャレですか!ってか全部変えてあげる!」

「本当?ありがとうー」

授業中、担任が注意することもなかったけど
担任も授業を進める気はなかった。

だから授業中、眉毛を整えてもらって
初めての化粧をした。

「ほら、見てみー可愛いぜー」

鏡に映る自分は自分じゃないみたいだった。
高校生なった!って思うくらい大人びていた
< 6 / 12 >

この作品をシェア

pagetop