チェリーをあげる。
しばらく人混みの中を駆けずり回ると、
そんなに遠くない所で渡さんとちーちゃんが泳いでるのを見つけた。
私もそこまで泳いで行くと、大声でふたりを呼んでみた。
「渡さん…!ちーちゃん…!」
「あー、雛!」
ちーちゃんが私に気づいて返事をしてくれた。
すると渡さんもこっちまで泳いで来て、私の体調を気づかってくれた。
「具合、もう大丈夫なの…?こんなに泳いで平気…?」
メガネをかけてない彼はめずらしくて、ちょっとドキっとさせられた。
「あ…、うん…。たぶん大丈夫…」
「ホントに?」
「うん…。あ…、ねえ…、それより私、渡さんに日焼け止め塗ってあげようと思って、これ持って来たんだ」
右手に持った日焼け止めのチューブを彼に見せると、
渡さんは驚いたように言った。
「何…、わざわざここまで持って来てくれたの…?」