チェリーをあげる。

「うん…。ほら、直射日光は体に悪いって聞くし…」




私がそう返すと、


渡さんは私の頭に手を置いて笑った。




「そんなことしてくれなくても俺は全然構わないのに…。雛ちゃんは病み上がりなんだから、もう少し休んでなよ」


「え…?」




次の瞬間、


渡さんは私の両腕をつかんで、私の体をくるっと浜辺の方へ向き直らせた。




「え…?」




あわてて彼を振り返ると、渡さんは目を細めて言った。




「ほら、早く上がって休んでなさい」


「……」




渡さんが私のことを気遣ってくれてるのはわかるけど、


そんなこと言われたら、


私、また渡さんに近づく機会を失うだけだよ…(泣)。
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