Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜

廊下に置いたままの
スーパーの袋
夕飯、今夜はカレーらしい

チラシにルーの特売が載っていたから
予感はしてた

でも素麺よりはいいや。

福神漬けもお母さんが作ってるから
市販の奴より、甘くない

お父さんが甘いの苦手だから
そのように作ってあるんだと思う


ジャガ芋と玉葱とかが入った袋を
なんとなく居間まで運ぶ

持ち手の所がびっしょりで
お母さんが汗だくなのに気が付いた

ヒロくんと、
ヒロくんのお母さんが挨拶して
弟も一緒に、扉を開けて、出ていった
お母さんが戻って来て

「あら!
運んでくれたのはいいけど
どうせなら冷蔵庫の前まで
運んでよ〜」と
文句を言う

「…運んだんだから
いいじゃーん
いい娘とか褒めてみようよ
たまにはさああああ」

「じゃあ、いい娘!
汗だくの母に、麦茶よろ〜
氷、少なめで」

「……注目多いよ…まったく…」

私はブツブツいいながら
氷冷機から氷と
棚からグラスをとって
お母さんが煮出した、
冷えた麦茶を、取り出した



……これと同じ事
ご飯作ったり、
庭にいっぱい干してある、白い洗濯物
まだコンセントに付けっぱなしの
だいぶ古い、掃除機

汗だくで買い物行ったり
将来自分もやるのかなあと思うと
出来るのか、
……かなり不安だ


もしミュージシャンを目差して
東京に行き、一人暮らし

……冷凍ピザ、毎日とか……
私はあんまりハンバーガーとか
好きじゃないんだけど

疲れて帰って来たら
やっぱりそれで済ますんだろうな…

シノに
『ユカはかなり大食いだけど
太ってないのは
ジャンクフード、
あまりとらないせいかもだから
お母さんのご飯の
賜物だと思うよ〜』って言われた事あった

………。


台所にくれば
いつもなんかあるし
料理作る必要ないから
なんも作れないけどさ……


…メイドさんいる家庭に嫁ぐとか!!

…なんか違うか……





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