Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



『……やりたいんだ』

『…え?』


『……ライヴが、やりたいんだ』


『うん 私もやりたい
だから来年、皆が落ち着いたら
すぐにでもやろうって
さっきも話して…』



『違うの!!!

―――今すぐにでも
ライヴがやりたいの!!!』




『………ユカ 』




―― 自分でも
思いもしない勢いで叫んでしまって
すぐに後悔した――



「 …ゴメ…… 」



『…判るよ
私もそんな感じで、
バンドやりたかったから…』



―― マキちゃんは
一番最初のバンドの時
皆を、自分がギターを弾くための
道具みたいにして
皆に嫌われて、失敗したって


…私も変わらないじゃん
何この意味不明なワガママ発言…


ライヴをやるには、まず、

大勢の対バン形式の
そういう業者さんが主催してるトコを
音楽雑誌か、ネットで探して
応募する方法――

これにはオーディションとか無くて
お金を払えば
誰でも、出演出来る


持ち時間は、大体30分から40分

チケットを貰って
その売上は、自分達の物になる



――― もう一個は
私達がやった方法

自分達の曲や姿をとったものと
メンバーの名前と
意気込みなんかを書いた書類を
ライヴハウスに直接出して
合格すると、出演出来る



大きくて、
有名なライヴハウスなんかだと
実際オーナーさんとかの前で演奏して
オーディションするトコなんかも
あって

それでお客さんが呼べる様になると
平日や早い時間から
土日曜とかの、夜に移れる

けど、そういうトコは
対バンが何十組もいるワケじゃないし
大きいからライヴ料が高い
チケットを毎回あげるなんて
無理な話で――

百人とか、呼べないとって
少し、聞いた……


なまじ、"CheaーRuu"とか
調べてるうちに
そんな知識ばっかり頭に入って来て……


今の自分達じゃ
今居るこのライヴハウスさえも
いっぱいにするの無理………





――― ライヴハウス







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