Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜


『……… ここ

ライヴハウスなんだ

ライヴハウスなんだよ?!
満員とは行かないかもだけど!
今のうちにポスター作って
昼にさ!途中の商店街行って
貼らせてもらって…
んでチケットも付けとくの!!
すっごい良い考えじゃない?!』


私は
我ながらスッゲー名案と思って
かなりはしゃいだ


――だけど
皆の反応が悪くて
少し拍子抜け

― もっと喜んでもいいじゃん!!

…そう思ったのに
マキちゃんが、少し、息を吐いて
諭すみたいに笑いながら言った



『…ユカ、無理だよ』


『………え…だって
好きにしろってアズさんも』



「ここは会社の持ち物で
…ユカや私達は、
青山さんかアニキが家族扱いで届出て
ここに泊まる事を許されてる

この前の東京のスタジオもそう

本来なら
事務所の人間でもなんでも無い
何の関係も無い私達が
立ち入れる場所じゃないの


そこでライヴなんかやって
問題でも起きたら
――責任取るのは、私達じゃないのよ」


『うん〜…
ユカちゃん…前にさ?
緑川さんが、言ってたじゃない

"しがらみもあるけど
事務所に入ってるのと
入ってないとでは
やっぱり全然違う"みたいな話

こういう事も
含まれてるんだと思うよ〜


ホントは、蘭さんとかも
呼びたかったみたいなんだけど
…事務所違うから
禁止だったみたいなんだよね〜』



『すごい破格の扱いなんだよ

シノさん的には
ユカのそういう所、大好きなんだけど
これ以上、我が儘言ったら駄目だよ
―――ユカ 』



「……………………はぃ」





――― そんな事
思い付きもしなかった………








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