Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



「結婚したら…
おみそ汁とか作りながら
台所で鼻唄、歌ってたいんだ
…私

"またその歌ー?!"とか
言われながら

それが今の私の、夢なんだー 」




――― 私は唖然とする

…それ ウチのお母さんじゃん…



「そんな事が、……夢?!」


「うん  そんな事。」


アズさんは、クスクスと笑う

でも少し
視線が泳いで―――

碧い目が
森の奥の湖みたいな虚ろになって
一度、瞳を閉じる



再度開いた瞳は
元に戻っていて
さっきのは水銀柱の光のせいだ と
そう思った
……思いたかった

それ位

―――深い、深い、深淵の、碧


…事件の話をしている時だって
こんな目は、しなかった





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