Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




次の日は朝から
ストロベリーピンクが集まって練習

朝には
『Azurite』の皆も
"CheaーRuu"の皆も起きて来て
何人かで
ちょっとづつ顔を出してくれた


お昼近くになって
アニキが顔を出して
「海岸で
バーベキューやるから来て」と言った

ユリちゃんとシノは
『ありがとうございま〜す!』と
歓声をあげる

それに対して、
歯並びの良い口元でニッコリ笑って
いいオニイサンみたいな感じで去っていった


…何だか随分、
話し方違うな

そう思ってたら

マキちゃんも『あーあ』って顔してて
吹き出した

「…ユリとシノがいるからだね
外向きの顔。」

「アハハハ」


「早くいこいこ〜!!」と
シノとユリちゃんに
背中を押された


バーベキューの網の上には
もう野菜とか、馬鹿みたいに大きな肉が
山盛りに乗せられていて
それを見た途端
お腹が、物凄い音でよじれる


青山さんが
アズさんのお皿に、肉を乗せるんだけど
アズさんはすぐにそれを
青山さんのお皿に戻すの繰り返し

何かの漫才みたいだ


「タカコ 手伝え 」

「うん!」

アニキに呼ばれて
マキちゃんは、
クーラーボックスの中から
野菜を出す

『切れ』っていわれて、包丁を握ったけど
かなり危なっかしくて
声が出そうだった

アニキがブスっとしてたら
青山さんが横にやって来て
「やるよ」と笑った


マキちゃんは真っ赤な顔をして
小さくなる

…私も
笑ってなんからんないんだけどね…
包丁なんか、家庭科でしか
殆ど握った事ないし…


鉄板の方では
池上さんと緑川さんが
絶妙なコラボで、焼きそばを作ってる

緑川さんの、キャベツの高速千切り
池上さんの、華麗なヘラ返し…


「うまいなあ!」と声を出したら
緑川さんが
「学生時代、
厨房でバイトしてたからさあ」と笑う

池上さんは
「テキ屋のオジサンに
伝授して貰った〜!」と
返しと同じリズムで、首を振る

赤池さんは
食べるのに夢中で

――― あれ 『彼』が、いない?


姿を、捜した






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