Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




―――「片付けは任せて
皆はゲストなんだから」と

バーベキューが終わってから
赤池さんに言われた

「でも」と
マキちゃんとシノ



軽く、押し問答があったけど
結局私達は帰されて
スタジオへと歩いた


「…ちょっと寂しいね
気を使ってくれてるのは解るけど…」と
マキちゃん


「…うん
ゲストって言い方が
少し、ね」

シノが、緩く笑う


「でも…ホントだから
仕方ないよ〜
悪い意味で言ったんじゃないし
変なコト、気にしない〜」と
ユリちゃん


「……でもさ、ユカ」

「え?」


「あんな中にずっと居て、
…ドキドキしなかった?!
今日皆、水着着てたけど…」


「なっっ!!
…なに言ってんのシノ!!」


「なに言ってんのじゃないって!
あのイケメン率は
凄い事だよ?!
そうそうある事じゃないんだから!

…いつも思うんだけどー
ミュージシャンの人達って
スポーツとか鍛えるとか
縁遠そうなのに
――いいカラダしてない…?

毎日楽器弾いてるから
上腕筋とか、胸筋とか
発達してるって言うか…」

「まあまあまあ〜
それはユカちゃんだし〜」


「んな…っ
そんな事考えてたら
一緒にいられないよ!?

群れだよ群れ!!」


「ちょっと皆っっ!!
そんな大きな声で話したら
皆に聞こえ……!!」



………マキちゃんのその声に
全員ゆっくりと、
恐る恐る、後ろを振り向いた


…アズさんが
砂浜に倒れ込んで、
お腹を抱えて笑ってる


―――― そして


『 聞こえてるから 』


男の人達が
一斉に、ウチらに向かって呟く




顔を真っ赤にして
叫びながら
私達は、逃げ出した









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