Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜


明かりの中心は
物凄い人の波で

『Azurite』や"CheaーRuu"
こんな人がいっぱいいるトコ
平気なのかな と思ってたんだけど

ナカマさんが
「結構バレないもんよ」と言ってて


青山さんは
アズさんの手を引きながら
綿菓子を作ってる所を指差して
途端にアズさんが、小走り

その回転しながら出来て行く渦を
食い入る様に、覗き込む




その横には
フライドポテト屋さんと
ベッコウ飴屋さん


―――― あ  あんず飴!!

「ナカマさん!
私、あんず飴買って来ます!」

「転ばないのよ!」

「アハハハ はーい!」



あんず飴屋さんの隣は
タコ焼き屋さんで
すごい人がいっぱい居て
揉みくちゃにされる

いつもならヒョイヒョイ抜けて行くんだけど
髪と浴衣を気にしてるのと

足踏まれたら痛いだろうなって
そんな事を気にしてたら
身動きが取れなくなってしまった


「うわ 」

―― 誰かに腕を引っ張られて
屋台と屋台の間に引き込まれる


焦って上を向いたら
誰かの、胸があった

……すぐにそれが誰か、判ったけど
確認したくて
そのもっと上に、首を向けた



『…あんなに食って
まだ食うのかよ』

「…あ 甘いモノは、別腹なの!」

『…牛かよ 』

「そっ そーゆーイミじゃないし!」

『…何食うの 』

「え…スモモ、買おうとしてて…」

『待ってて 』





――― 花火の音と
たくさんの人の、ザワザワ

少しして
『彼』が両手に
スモモと、アンズの水飴を持って
戻って来てくれた


『 ん 』

「…ありが、とう 」


――― 『彼』が買って来てくれた、これ
…なんだか食べるの、勿体ないな…


『…こっちがいい? 』

「あ う 違くって……」



――― もう!と思って
すももを思いきり、かじった






< 353 / 430 >

この作品をシェア

pagetop