Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
明かりの中心は
物凄い人の波で
『Azurite』や"CheaーRuu"
こんな人がいっぱいいるトコ
平気なのかな と思ってたんだけど
ナカマさんが
「結構バレないもんよ」と言ってて
青山さんは
アズさんの手を引きながら
綿菓子を作ってる所を指差して
途端にアズさんが、小走り
その回転しながら出来て行く渦を
食い入る様に、覗き込む
その横には
フライドポテト屋さんと
ベッコウ飴屋さん
―――― あ あんず飴!!
「ナカマさん!
私、あんず飴買って来ます!」
「転ばないのよ!」
「アハハハ はーい!」
あんず飴屋さんの隣は
タコ焼き屋さんで
すごい人がいっぱい居て
揉みくちゃにされる
いつもならヒョイヒョイ抜けて行くんだけど
髪と浴衣を気にしてるのと
足踏まれたら痛いだろうなって
そんな事を気にしてたら
身動きが取れなくなってしまった
「うわ 」
―― 誰かに腕を引っ張られて
屋台と屋台の間に引き込まれる
焦って上を向いたら
誰かの、胸があった
……すぐにそれが誰か、判ったけど
確認したくて
そのもっと上に、首を向けた
『…あんなに食って
まだ食うのかよ』
「…あ 甘いモノは、別腹なの!」
『…牛かよ 』
「そっ そーゆーイミじゃないし!」
『…何食うの 』
「え…スモモ、買おうとしてて…」
『待ってて 』
――― 花火の音と
たくさんの人の、ザワザワ
少しして
『彼』が両手に
スモモと、アンズの水飴を持って
戻って来てくれた
『 ん 』
「…ありが、とう 」
――― 『彼』が買って来てくれた、これ
…なんだか食べるの、勿体ないな…
『…こっちがいい? 』
「あ う 違くって……」
――― もう!と思って
すももを思いきり、かじった