Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜




「…あんたは、それ買ったんだ」

『当たった』

「な?! 当たったの?!
…私、全然当たった事ないよ?!」

『…普段の行い 』

そう言って、『彼』が笑って



―― そして今までになく
ジッと見つめられて
急に、苦しくなる



明かりをつけてる
発電機の音だけ
大きくなった 気がして
目を逸らして、そっちを見た


『…あ』

「……え? 」

その言葉に、また元に振り向くと

ボウッと光ったり
チカチカ点滅する
よく弟が、お祭りでねだる
光るオモチャ達の前に
アズさんと、青山さんが居た





「全色買うか?」と
青山さんがアズさんに言っていて

――それは、夜光の腕輪


アズさんは首を横に振って

「ううん 一個でいいの …これ」

「 OK 」



青山さんは、店のおじさんに

"グリーン"と書かれた、厚紙
まだ光っていない
白いプラスチックの棒を
「すみません、下さい」と
指差す


青山さんはポケットから五百円出して
それを受け取ると

パキッと割って
アズさんの腕に付けた



アズさんは、ホントに嬉しいみたいで
腕を、夜空にかざす






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