天使の涙(仮)
雨は激しさを増すばかりで、諒二の姿が薄れて見える。
私自体、この雨に消されてしまいそうだ。
震えが止まらない。
寒さのせいなのか、恐怖からくるものなのかわからないけれど。
ふっと、足元に視線を落とすと空色のスニーカーが泥だらけで、なんとも言えない残念な色をしていた。
彼と色違いで買ったスニーカー。
私は赤がよかったのに、私にはこの色が似合うと言った。
私にはこんなキレイな色は似合わないって思ったけど、彼がそう思うならそれでいいと思った。
嬉しかった。
そして彼は、私が欲しがった赤のスニーカーを選んだ。
不服そうな顔をした私に彼は言った。
「俺と実々は、靴のサイズそんな変わらないし、赤が履きたくなったら俺のを履けばいい。それに、そっちの方が本当にお前に似合うと思う。自分の選んだモノ、好きな人が身につけてるの見るだけで幸せな気持ちになるじゃん!上手く言えないけどよ。」
とても嬉しそうに笑うから、私まで自然と笑顔になった。
それからは、このスニーカーが諒二の次に大切な宝物になったんだ。