天使の涙(仮)
どういうわけか、呑気にこんなことを思い出していた。
「実々…」
掠れた私を呼ぶ声にハッとした。
視線を彼に戻すと、悲しそうに私を見ていた。
「……、俺…、お前のこと本気で愛してた。俺のすべてをお前に捧げてもいいと思えるほどに。だけど、だからこそ、俺はお前を許すことができない…。」
この人は何を言っているんだろう?
彼の言っていることが理解不能だった。
「ねぇ、何の話??私、諒二が何の話をしてるのか全然わからないよ…」
「ふっ、何の話?よくそんなことが言えるよな。ずっと騙してたんだろ?ずっと陰で笑ってたんだろ?俺のこと微塵も愛してなかったんだろ?だってお前が愛してるのは瑶太だもんな。」
「ちょっと待って。なんで瑶太が出てくるの?騙してたって何?」
さっきまで悲しそうな目で私を見ていたのに、“拒絶”そんな目で私を見ている。
怖くて目を逸らすことも出来ない。
