異次元の旅人(ディメンション トラベラー)
「人にもの頼んでんのになんだその態度わ~、お前らガキか」

びびって止まった男はすかさず拳をヴィンセントの顔面に真っ直ぐ突き刺した。

だが………

いきなり入ってきた男が殴りかかった男の拳を払いのけてオブラインの前に立った。

「貴方がこの街一番の鍛冶師と聞きました……、このペンダント直していただけますか?」

テーブルの上に置かれたペンダントを手に取り、頷いて契約書を取り出し名前を書かせた。

男はささっと名前を書き終えた。

オブラインは目を点にして名前を見つめた。

「あぁ、暁 紅蓮(あかつき ぐれん)って読むんですよ」

男が金貨を三枚オブラインに渡すと服を整えて男達の方を向いた。

「Be kind to old people. (お年寄りには親切にしなさい)」

そう言い残すとさっさと店を出ていき男達は後を追いかけて騒ぎはひとまず収まった。
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